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佐々木真史(ヴィオラ)

2007年08月05日
佐々木真史

皆様今日は。仙台フィル首席ヴィオラ奏者の佐々木真史(ささきまさし)です。

今年のせんくらでは、仙台フィル、四季合奏団の他に、ヴィオラコーナーでも皆様とお会いできる事になりました。今からとても楽しみにしております。そこで、今日は、今回のプログラミングについて書いてみたいと思います。

ヴィオラは、元来独奏楽器というよりアンサンブル楽器の色合いが強いんですね。ですから今回はアンサンブルを中心にして、自分の大好きな作曲家の大好きな曲ばかりを集めました。独奏も一つはと考え、バッハの無伴奏組曲第二番からメヌエットを入れました。

ヴィオラのオリジナルの無伴奏曲もいろいろありますし、良い曲もたくさんあるのですが、かなりマイナーであることは否めないので、またの機会にお聴かせしたいと思います。

それにしてもバッハって懐の深い、巨大な作曲家だとつくづく思うのですが、バッハの作品を、バッハが考えたのでない、他の楽器で演奏しても、これが凄くいいんですね。

無伴奏チェロ組曲も、ヴィオラは勿論、コントラバスやサックス等々の様々な楽器で演奏されますが、どの楽器で聴いても、バッハの良さを損なわずに、違った魅力を持って聴けるんですね。本当に凄い作曲家です。

次回はコダーイについて書きたいと思っております。
お楽しみに。

 
2007年08月06日

メインに演奏しますのは、コダーイの2つのヴァイオリンとヴィオラの為のセレナーデです。

ゾルターン・コダーイ(1882-1967)はハンガリーの作曲家で、バルトークと共に、ハンガリーの民謡を採集し、自由に取り入れる事でハンガリー色豊かな作品を生み出した事で知られています。ヴィオラ奏者でもあった彼の作品は、ヴィオラパートの充実ぶりが目立ちます。代表作のオペラ「ハーリ・ヤーノシュ」の中では、ヴィオラが1人っきりで数小節弾く箇所があるんですよ。以前東京でこの「ハーリ・ヤーノシュ」の組曲版を演奏したことがあるのですが、それはもうドキドキものでした。全くのヴィオラソロで始まる曲が1つありまして、何とその1つ前の曲は管楽器だけで演奏されるのです。ですからヴィオラのトップ奏者は音も出せずに、じっとその曲を聴きながら待っていなくてはならず(まだ演奏している方が楽なのです)、その時の緊張感といったら本当に忘れられません。

そもそも「ハーリ・ヤーノシュ」とは主人公のハーリが世界を旅してまわる楽しい物語なのですが、そのヴィオラが1人で弾くメロディーは主人公のハーリが異国で故郷ハンガリーを想って歌う曲なんですね。とても切なく、味わいのあるメロディーなんです。ヴィオラのソロが終わると他の皆も入ってきて、ハンガリーの民族楽器、ツィンバロンも登場します。この楽器が胸をつくような、哀愁のある音色を出すんです。興味を持たれた方は是非CDで聴いてみてください。いつか仙台フィルでも演奏できたらいいなと思います。

次回は2つのヴァイオリンとヴィオラの為のセレナーデについてお話したいと思います。

 
2007年08月07日

コダーイ作曲「2つのヴァイオリンとヴィオラの為のセレナーデ 作品12」

コダーイは主な室内楽作品を若いときに作曲しているのですが、1920年に完成されたこのセレナーデは、その室内楽時代の最高傑作とされています。

3つの楽章から出来ています。

第1楽章はタカタン タカタンという生き生きしたヴィオラのリズムにのって楽しげな音楽が繰り広げられます。

第2楽章はまさに夜の音楽。セカンドヴァイオリンは殆どの部分でトレモロを演奏し、夜のしじまを表します。その中でファーストヴァイオリンとヴィオラは、様々な表情を持って、歌い交わします。聴き所です。

第3楽章は激しくテンポが変動する躍動的な踊りの音楽です。コダーイ研究の第1人者、ラースロー・エウセは、このセレナーデに内在する物語を次のように解説しているので、紹介しておきます。

第1楽章=女性のたたずむ窓辺で、3人の音楽家の奏でるセレナーデが聴こえてくる。やがて恋人の歌声が聴こえ、セレナーデと歌声は時に重なり、時に離れる。第2楽章=夜、彼(ヴィオラ)と彼女(ファーストヴァイオリン)の対話が始まる。彼の懇願に彼女は微笑とはにかみで答える。それは次第に激しい拒絶に変わってゆくが、再び彼女は頑なな心を柔らげ、今度は彼が微笑で応える。第3楽章=彼と彼女の心がしっかり通じ合い、2人の楽しげな語らいは、やがて愛の歓びの歌に変わり、活発な踊りとともに終わる—。

次回は今回セカンドヴァイオリンで共演してくれる宮崎博君に登場してもらいます。彼とは、彼がまだ学生だった頃からの長い付き合いです。とっても良い感性を持ったヴァイオリニストで大好きです。

お楽しみに。

 
2007年08月08日
宮崎博

こんにちは。ヴァイオリンの宮崎博です。

せんくらでは「仙台フィル」、「せんくら四季合奏団」、そしてこのヴィオラの佐々木さんの演奏会に出演させていただきます。

私が仙台にきたのは2000年ですからもう7年ほど住んでいます。
仙台は程よい大きさで居心地がいいですね。国際コンクール、せんくら、そして私が所属する仙台フィルと音楽文化が盛んで音楽家にとって住みやすい都市です。この仙台の音楽文化の一端を担えることは大きな喜びです。

私は広島県福山市の出身で19歳までこの瀬戸内ののんびりとした環境で過ごしました。4歳からヴァイオリンを始めましたが地方ということもあり、ヴァイオリンをひいている仲間もそんなに多いわけではなく、自分では将来プロになるとは夢にも思わず(親はそうではなかったようですが)、あまりまわりに左右されずマイペースにやっていました。その子供時代のマイペースさは今でも残っているようで、オーケストラというたくさんの個性的な人たちと仕事をやっていくときに、なんとか自分を見失わないでやっていけているようです。

今回一緒に演奏させていただく佐々木さんとは私の学生時代からの10年来の付き合いになります。今までも度々室内楽等を一緒にさせていただき、また2人とも20世紀を代表するある製作家の楽器を使っていて、そういうところも気にして演奏会を聴いていただけると別の楽しみ方もできると思います。

それでは、10月、会場でお会いしましょう。

宮崎 博

 
2007年08月09日

=ヴィオラの魅力=

ヴィオラの魅力って何ですか?とよく聞かれます。改めて聞かれると答えにくいですが、とにかくヴィオラが好きです。自分にはこれしかないなといつも思います。

そういえば、作曲家の中にも、ヴィオラを愛した人はとても多いのです。バッハ、モーツァルト、ブラームス、ドヴォルザーク、ヒンデミット等々、挙げたらきりがありません。それらの多くの作曲家は自分でもヴィオラを演奏していました。バッハは合奏の時にヴィオラを担当し、「和声の中心にいて、両側の音を聴くのを楽しんだ。」といわれていますし、モーツァルトも度々ヴィオラを弾いていました。モーツァルトの曲では、ヴァイオリンの弾いたメロディーを更に深く切ない表現にして、ヴィオラに弾かせる場面がしばしば見られます。ドヴォルザークはオーケストラのヴィオラ奏者でしたし、ヒンデミットはベルリンフィルの定期演奏会にソリストとして登場する程の腕前の持ち主でした。又、最晩年の作品に選ばれるケースも多く、バルトークはヴィオラ協奏曲が未完のまま亡くなりましたし、ショスタコーヴィチのヴィオラソナタは、死の3日前に初演者に届けられたと伝えられています。

多くの作曲家に愛されたヴィオラ— その一番の魅力は独特の音色にあるでしょう。渋みがかったふくよかな音色には、たまらない良さがあります。ヴァイオリンよりもサイズが大きく、弾くのが大変ですが、取り組みがいはとてもあります。大きさといえば、ヴァイオリンやチェロと違ってヴィオラには定まったサイズが無いのをご存知ですか?人によって様々な大きさの楽器を使っています。小さいと39cm台。大きいのは45cmを超えるものもあります。僕のは割と大きめの42.1cm。

ヴィオラ奏者は音の好みや、体の大きさでサイズを決めています。オーケストラでもよく見ていると、色々なサイズの楽器を使っているのがわかり面白いです。

次回はヴァイオリニストの鈴木まどか氏の登場です。

 
2007年08月10日
鈴木まどか

みなさま、こんにちは。今回せんくら《シブい!深い!ヴィオラの世界》でヴァイオリンを担当します、鈴木まどかです。

さて、7月に少し早めの夏休みもかねてフランスへ行ってまいりました。パリ、リヨンにも立ち寄りましたが、この旅ではノワイエというブルゴーニュ地方の小さな村で行われた、ピアニストのクリスチャン・イヴァルディ先生の室内楽& ソロの為のコースに参加出来たことが大きな収穫でした。
 
イヴァルディ先生には10年程前より度々お世話になり、「室内楽の神様」とでも崇めたくなるような素晴らしい音楽家です(もちろんソロもお弾きになります!以前聴いた彼のドビュッシー「喜びの島」などは忘れることができません)。香り立つようなご自身の確固とした世界を持ちながら、「ひとりでやる音楽は音楽ではない! 」と言ったとか言わないとか・・・などと噂される程アンサンブルを極めていらっしゃる、理想のアンサンブルピアニストでもあられる方です。
 
学生時代以来何年ぶりだろう?・・・という海外でのコースでしたが、ノワイエはとても内輪な感じのコースで参加者は同年代が多く、年上の方もいらして大人の(?!)講習会でした。そんな中、先生のクラシック音楽だけにとどまらない文化的造詣の深さや人間的な大きさ、暖かさを本当に間近に感じることができました。
 
ノワイエはブルゴーニュ地方というだけあって、周りには葡萄畑あり、レッスン会場は元ワイン倉でいつもひんやり、そしてコンサート会場はワイナリーの一角で巨大なワイン樽に囲まれ、夜はいつもワイン!(ここのワインは日本に入ってきていないそうなのです。買って帰れなかったのが残念・・・)チーズ!、またフランス革命記念日と重なったため日本顔負けの花火大会あり・・・と勉強しに来たことを忘れてしまいそうな環境でした(笑)。たまに「楽器持たない旅行」を敢行したりもしますが、今回はそれと同じかそれ以上にリフレッシュできたかも知れません。

が、レッスンだけはしっかり厳しく、みっちりとやって頂きました。楽譜からいかに様々なことを深く読みとり音にするかという作業にはきりがありません。

最終日のコンサート、モーツァルトのソナタと、以前から弾いてみたかった念願!!フォーレのピアノトリオを地元のお客様のくつろいだ雰囲気の中演奏。

特にフォーレをあのフランスの空気のなか弾くことができたのは幸せの一言につきました。

終演後のパーティーでは、ヴァイオリン大好きおじさまという感じの方に話しかけられ、あまり一般的には知られていない膨大なヴァイオリンコンチェルトをコンピュータでリストにしたものを下さり、私も初めて耳にしたような日本人の作曲家の方の曲をとてもいい曲だからと勧めて下さったり、世界中で色々な音楽を聴いている方々がいらっしゃるのだなあと驚いたりも・・・。

フランスにいると、音やリズムはもちろん、風や香り、味等といった眼に見えないものに感覚を研ぎ澄ますことの大切さを日本に居る時とはまた違った方向から思い出させてくれる気がします。そしてそれがくせになり、またすぐに行きたくなってしまうのでした・・・。

仙台からしばし話題が飛んでしまいましたが、せんくらの《ヴィオラの世界》でも今回フランスで弾いたモーツァルト、フォーレの作曲した曲がプログラミングされています。お聴き下さる皆様にも幸せな風が届きますように。

 
2007年08月11日
佐々木真史

仙台フィルに入団したのが1999年の9月ですので、早8年目になりました。これまでオーケストラと室内楽の2本の柱を中心に活動して参りました。
その間、3回の国際コンクールを経験し、「せんくら」も今年で2回目。まさに楽都仙台の中心で活動させて頂ける喜びをひしひしと感じます。これも会場に足を運んで下さるお客様のおかげです。良い演奏をする事で恩返しが出来ればと思っております。

一週間、読んで下さいまして、有難うございました。10月、コンサート会場でお目にかかれるのを楽しみにしています。